【6】

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「まこ……もう一回、していい?」  口元にやっていた手を取られてしまい、勇仁の顔が近づいてくる。  悔しい事にイケメンは何度見てもイケメンだ。それに不意をつかれてされた先ほどのキスよりも、じわじわと距離を縮めてくる今の方がドキドキしてしまう。  拒まないと……と頭の片隅では何度も思っているのだが、その通りに出来ない。  触れるまで後数センチと迫った所で、不覚にも真琴は自ら目を閉じてしまった。 「んっ……」  ゆっくりと合わさった唇に、熱が籠るのを感じる。今度は直ぐに離れていかずに、触れたままで暫く動かなかった。 「まこ……好きだ」  熱を持った唇が離れていき、真琴が閉じていた目を開いた瞬間、勇仁が再び告げてきた。  このタイミングで言うだなんて、本当に厄介な男だ。  心の中ではそう思いつつも、掴まれている勇仁の手に真琴は自ら指を絡めて握り返してみせた。言葉には出来ないが、それは真琴の気持ちを込めて取った行動だった。 「まこ……」  手を握り返された事に、勇仁は驚いていた。ジッと繋いだ手を見つめた後、再び唇を重ねてきた。  勇仁が真琴の気持ちを理解したのかは分からない。  けれど、「もう一回」と唇を離した瞬間に言って、再び重ねてくる。飽きる事なく何度もそれを繰り返されて、数えられなくなった頃にやっと解放された。  唇が触れるだけのキスを何度も交わしただけなのに、真琴は熱が出た様に頭がぼんやりとしてきた。
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