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真琴の言葉が信じられない様で、勇仁が驚きつつ再び確認してきた。
確かに、勇仁からの告白を聞いた直後は、曖昧な事を言って濁した。あの時は、勇仁が自分に対して真剣に思いを寄せていると分かって、衝撃を受けていたからだ。
とてもじゃないが自分の気持ちまで考える余裕が持てなくて、うやむやにしてしまった。
その後に勇仁からキスされて、少し雰囲気に流された感じになってしまったが、身体に触れられて嫌悪がなかった。それ所か、じわじわと自分の気持ちを自覚し始めたのだ。
「凄い嬉しい……けど、俺が聞いた時、まこは分からないって言ってたのに。今になってそう言ってくれるって事は、もしかして身体の相性が良かったから……なのか?」
「はぁ!?」
自分の気持ちを素直に伝える事が出来て、真琴は胸がほっこり温かくなってた所だった。そこへ勇仁がぼそりと呟いたのを聞いて、驚愕した真琴は言葉が出なかった。
「え、違ったか?」
「よくそんな発想が出来るな」
「だって、まこが困った表情で言ってたのを見てたし。昨日、まこが先に身体を許してくれたのは、雰囲気に流されたのもあったのかなって。でも、俺としては直ぐって訳にはいかないだろうけど、心も俺に委ねてもらえる様、ゆっくり待つつもりだったんだ」
少し呆れ気味の真琴だったが、真剣に勇仁が言ったのを聞いて、直ぐに申し訳ない気持ちになった。
「ごめん。勇仁に聞かれた時は、頭の整理が追いつかなくて……」
「いいって、急かした俺も悪かったんだし」
どこまでも優しい勇仁にホッとすると共に、真琴は自分の幼稚さに恥ずかしくなった。
「まこ、反省はこのぐらいにしてさ……俺はもう一回、聞きたいんだけど」
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