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「え……?」
何とも言えない気まずい空気になりつつあったが、それを破って、勇仁が言ってきた。
言われた事が理解出来なかった真琴は、問いかけるみたいな声を出してしまった。
「あ、その……まこが、俺をどう思ってるかってやつ」
少しだけ照れた様子で勇仁が言った。
そんな表情が珍しくて、真琴はついジッと見入ってしまう。
「まこ……? やっぱ、気が変わった?」
「あ、ごめ……珍しくて、つい」
待っても言おうとしない真琴に、不安に思った勇仁が心配そうに聞いてきて、慌てて口にした。
「珍しいって?」
「あ、いや……こっちの話だから、気にしないで。じゃあ……改めてもう一回、言うから」
これ以上突っ込まれたくなくて、早々と会話を終わらせた真琴は、一度咳払いをした。
はぐらかす事だって出来たと思うけど、勇仁の真剣な気持ちに応えたい方が強かったので、再び口を開いた。
不思議と二回目となれば気持ちは楽で、さっきよりも緊張せずに言う事が出来そうだ。
「オレも、勇仁が好きだ」
「まこ、もう一回」
「ええ? 勇仁、ちゃんと聞こえてたよな? まさか、オレを揶揄って……」
気が楽とはいっても、ジッと顔を見て言えるほどの勇気はまだ出せなくて、勇仁の口元あたりを見ながら言った。
言い終わったばかりなのに、直ぐに勇仁からリクエストがやってきた。流石に揶揄われてると思った真琴は、文句を言うためにそこでやっと目線をあげて勇仁の顔を見た。
視界に入ってきた勇仁は、揶揄ってなどおらず、むしろ真剣な表情で真琴を見ていた。心なしか頬が赤い様に思えたのは、真琴の気のせいなのだろうか。
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