【2】

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 何で笑ってるのか分からず、ポカンとしてしまったが、なんとなく聞けなくてそのままにした。 「腹減っただろ? うどん作ったけど、食べれるか?」 「うん……」  その声で起き上がり、真琴は勇仁の家で寝る事になった経緯を思いだした。 (そうか……体調悪いと勘違いした勇仁に無理やり連れて来られたんだった。オレ、いつの間にか寝てたのか)  病人だと思いこんでいるとはいえ、勇仁が人の為に料理を作るだなんて、意外だった。 「勇仁も、料理するんだな……」  驚きから思わず口にも出してしまい、言った後にしまったと思った。だが……もう後の祭りだ。 「そりゃ……俺だって一人暮らししてんだからな。簡単なものしか作れないけど、たまには料理ぐらいするぜ?」  少しムッとするかもと思っていたが、それは真琴の杞憂に終わった。勇仁は不機嫌になること無く、和やかに返してきた。 「そっか。オレがここに来た時は、大体出前を頼むから、意外だったかも」 「随分な言われ様だな。けど……間違っちゃいないけどな」 「だな……」  少し間があってから、お互いに笑った。  そこには……少しずつだが、いつも通りの真琴と勇仁の会話が成り立ってきていた。  ぎくしゃくしてから日は経っていないのに、感覚的にはこのやりとりが懐かしいと思えた。 「……まこ」  出来ればこのまま何事もなく過ごして、今日一日を終えたい。  そう願った直後に、勇仁の手が真琴の肩付近へと延びてきた。 「え……?」
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