【3】

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「いや、それはない。一応、応急処置はして貰ったから使えるんだけどさ……使う頻度とかによっては、また水漏れするかもって言われたから、まこの家に世話になった方が安全かと思って」  勇仁の言い分も分からなくは無かった。  二週間といえど、いつトラブルが起きるか分からない状態で使い続けるよりは、誰か近くに住んでる友人の家に泊まる方が安心だ。  理解は出来ても自分の家に泊めるとなるとまた別の話で、今の真琴には安易に首を縦に振る事は出来なかった。 「んーでも、いきなり二週間って言われても……。染谷の家とかは?」  助け船を出す様に、真琴は隣に居る染谷をチラッと見た。真琴の視線に気付いた染谷は、申し訳なさそうに首を横に振ったのだ。 「悪い。俺の家はたまに彼女が泊まりに来るから、ずっとは無理だわ」 「そっか……」  頼みの綱が断たれた瞬間だった。  真琴は一気に目の前が真っ暗になった様な気分を味わった。  染谷だけの事情だけなら説得のしようがあるものの、彼女が絡んでくるとそれ以上は何も言えない。 「まぁ……二、三日なら、何とかなる……かな」  断った後、真琴の落胆ぶりを気にしたらしく、染谷が付け足して言った。彼女とは同棲していなかった筈なので、染谷が言う様に数日間なら勇仁が泊まっても問題なさそうだ。 「えー、嫌だね」  少しだけ希望の光が見えてきたと思った所だったのに、何故か問題の張本人である勇仁が直ぐに拒否したのだ。 「はー? 勇仁、お前なに拒否ってんだよ」  折角譲歩したのに……とでも言わんばかりに、染谷が呆れた口調で言った。勇仁が拒否したのにはどんな事情があるかは分からないが、これに関しては真琴も加勢せずにいられない。
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