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「有難う。勇仁に気を遣わせない様に、彼女とか作れたらいいんだけどさ」 「んー、そこも気にすんなって。まこに彼女出来たら、俺とあんまり遊んでくれなさそうだから、無理に作る必要なんてねぇよ」  意外な事に、真琴が思ったままを言えば、勇仁は渋い顔をして言ってきた。  飲み会以外で勇仁と遊びに出かける機会はほとんど無かったので、そう言われるとは思わず目を見開いて驚いた。 「お? そろそろ講義始まるな。移動するか」  なんて返せばいいか困っていると、腕時計で時間を確認した染谷から中断が入った。お陰で、返事をしなくて済んだ。 「そうだな、あの講義は最初から出ないと厳しいからな」 「うん、急ごう」  講義開始の時間が迫っていたので、話がそこで一旦中断した。遅刻厳禁の講義の為、三人で足早に向かった。 ***  勇仁から話があった翌日に、真琴は早速自宅へ招く羽目になった。 「どうぞ」 「まこ、サンキュー」  口笛を吹きそうなぐらい機嫌がいい勇仁は、玄関で靴を脱ぐと真琴に続いて部屋へと入ってきた。  これから二週間か……と思いながら、真琴は昨日のやりとりを思い出していた。  昨日は講義に間に合わせる為に、勇仁を泊める話は一旦中断した。また別の日に改めてと思っていたが、講義が終わってから直ぐに勇仁から話を蒸し返されてしまった。  真琴としてはうやむやに済ませてしまいたかったのだが、勇仁から詰められる様に言われて、渋々『翌日なら』と答えてしまったのだった。
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