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水道管の不備が生じてる家で過ごすことに、そこまで困ってる様に思えなかったが、『いつからだったら、泊まりに行っていいんだ?』と真琴に返事を急かしてきた所を見ると、結構参っていたのかもしれない。
それにしても、もう二、三日後にすればよかったと、今更ながらに思った。
「そんなに広くない部屋だから、二週間っていっても男二人で住むと、何かと不便だとは思う。けど、適当に寛いでくれ」
「全然、余裕じゃん」
真琴の部屋には初めて来た訳じゃないのに、勇仁はキョロキョロと部屋中を見回していた。
「何か、面白いものでもあったのか?」
あまり気にしないでいようと思っていたのに、視界の端で勇仁の頭が動いているのを捉えてしまい、つい声をかけてしまった。
「え? いや、面白いもんは無いけど、なんか……まこの家、久々に来たなぁと思って。変わった所がないか見てた」
真琴の方を向いた勇仁は、そこで辺りを見回すのを止めた。
言われてみれば前に勇仁がここへ来た時からだと、二カ月近くは経っている気がする。
普段から頻繁に家を行き来する仲であれば、久しぶりになると思う。けど、真琴達はそこまで頻繁に行き来した事が無い為、久々だと言われてもピンとこなかった。
「久々……ねぇ」
だから、自然と口からそんな言葉が出てしまったのも、仕方ない事だ。
「えー? 前にここに来たのって、二か月ぐらい前だろ? 結構経ってるじゃん。まー、家の前までなら、この前来たけどな」
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