【3】

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 どういうつもりで言ったのかは分からないが、いくら勇仁でもあんな思わせぶりな発言をするのは頂けない。  もしあれが、女の子相手に言ったのなら、その気にさせる目的なのは分かる。  けど、男である真琴に向けて言った所で、その気がない筈の勇仁には何もメリットがない。だから余計に冗談でも何であんな事を言ったのかと、疑問が膨らんでしまって変に引っかかった。 (勇仁のバカ野郎……)  真琴が敷いた布団で寝ている勇仁に背を向けて、心の中で呟いた。  モヤモヤとする気持ちが解消出来ず、勇仁の様に直ぐに眠れないでいた。  やっと眠気がきたと思えば、直ぐに朝になってしまい……結局、真琴は二時間しか寝る事が出来なかった。
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