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 今横たわってるベッドが自宅の物よりも寝心地がいいし、目覚ましだって鳴らなかったのだ。最初から期待はしていなかったが、改めて自宅にいる可能性がゼロだと分かった。  ようやく二日酔いの頭にも慣れて来た所で、真琴は辺りを見ようとした。  まだぼやけている視界をクリアにする為に、何度かまばたきをする。そうする事で徐々にハッキリとし始め、ベッドの他にサイドテーブルがあるのを見つけた。見た感じ、誰かの家ではなくホテルに居るようだった。  次に頭だけ左右に動かして周りを見ていると、頭上辺りでガサッという音が聞こえたので、真琴は手を伸ばした。 「え……」  伸ばした先の手に何かが当たる感触がして、それを掴んで目の前に持ってきた。手の中のものを見た瞬間、真琴はビックリして思わず動きを止めてしまった。  何度もまばたきを繰り返すが、手の中の物が変わる事はない。真琴が見て驚いている物は、開封済みのゴムの袋だった。  こんな物がベッドの上にあるという事は……と、考えるうちに嫌な汗が出てくる。混乱する真琴に更に追い討ちをかけるように、サイドテーブルの隅にゴムが常備されてるのを発見してしまった。そこでやっと、ここがラブホテルだという事にも気付いた。  ラブホに居て、開封されてるゴムの袋がベッドの上にあったという事は……真琴がここで誰かとそういう行為に及んだという事を意味している訳だ。  酔っ払って記憶を無くした真琴には、全く覚えがない事だったが。  徐々に自分がしでかした事を理解していくと、真琴は肝が縮みそうになってきた。 「はっ……嘘、だろ……」
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