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勇仁と食堂でダラダラしながら話していると、時間が直ぐに過ぎて三限目が終わった。
椅子から立ち上がると、次の講義が始まる前に真琴は教室へ、勇仁はゼミの先輩の所へとそれぞれ向かっていった。
講義を受け終えて真琴は、直ぐに勇仁に連絡を入れた。電話を掛けてやりとりをすると、食堂前が分かりやすいだろうという事で、そこで待ち合わせる事になった。
早めに向かった筈なのに、真琴が食堂前へ辿り着くと既に勇仁の姿があった。
「まこ、お疲れー」
駆け寄ると、真琴に気付いた勇仁から声をかけられる。
「お疲れ様。結構待っただろ?」
ずっと外に居た感じではないと思うが、それでも時間を持て余していたのには変わりないので、申し訳なく思った。
「古森先輩と喋ってたから、そんな気にすんなって」
「そっか……」
真琴の気持ちを軽くする為か、勇仁が一緒にいた先輩の名前を出した。
確かに、一人だけで待っていたと言われるよりは、誰かと喋っていたと言ってくれた方が気は楽だった。
古森の事は、真琴も同じゼミだから知っている。ガッシリとした体型に、そこそこ背も高い所為か、最初に古森を見た時は威圧感が凄く、逆にそれが印象的で覚えてしまった。
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