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まだ本番が始まった訳じゃないが、いつ始まってもおかしくない流れだった。こういうものは内容は特に重視されていないので、わりと直ぐに始まってしまうのだが……音だけ聞こえてくる真琴にとっては、どのシーンが流れていても居心地が悪い。
まさか、勇仁との共同生活中にこういう事になるとは思わず、早く終わる事だけを願った。その所為か、お酒を飲むペースがいつもより早くなってる様な気がした。
「まこ、全然見てねぇじゃん」
「んー……」
二本目を開けた所で酔ってきたのか、思考がぼんやりとしてきた。それでもまだ、意識はちゃんとあるのだが。
「ほら、いいシーンだけど?」
僅かに頭を揺らしたタイミングで勇仁に頭を掴まれ、俯いていた顔を強制的に上げさせられた。
すると、いつの間にか本番が始まっていて、画面には艶めかしい女性の姿が映し出されていた。後ろから男性に貫かれながら、豊満な胸を揺らして喘いでいる姿は、確かに情欲を掻きたてられる。
しかし、随分お酒を飲んで酔ってしまった所為なのか、それを見ても真琴の身体が変化する事は無かった。
「勇仁……オレ、勃たないわ……」
ズボンの上から触って自分のが反応していないのを確かめた後、勇仁に報告するように言った。普段の真琴なら、こういう発言はしないのだが、酔った勢いで言わなくていい事まで口に出してしまっていた。
「え? マジで言ってんのかよ? この子、結構エロい身体してるのに」
「うん……分かんないけど……勃たないんだから、しょうがないだろ」
酔いが回ってきた様で、真琴は躊躇することなく思ったままを言ってしまっていた。
「とか言いながら、本当は反応してんじゃないのか?」
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