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反応を示し始めた真琴自身は、勇仁の手から与えられる刺激によって、更に変化をしようとしていた。
気持ちいいのに何故かその快感から逃げたい気持ちにもなって、思わず身を捩った。
急に体勢を変えようとした事で支える手が間に合わず、身体が傾いた。
「まこ、危ないから」
「あっ……」
倒れる前に腕を引っ張られて、真琴の身体は勇仁の胸に支えられる形になった。お陰で頭を床にぶつけたりする事はなく助かったが、今度は身体が密着した事で勇仁の体温を身近で感じてしまう。
なんとなく離れようとして真琴が身体を引こうとすると、それより先に勇仁の手が腰に回ってきた。距離が縮まって抱きしめられる体勢となってしまい、真琴はそれ以上動く事が出来なくなってしまった。
酔っている所為で考える余裕もなく、抵抗するだけの体力もない。その状態で真琴は、目の前にある勇仁の胸に額を押し付けるようにする事しか出来ずにいた。
「ゆう、と……っ……」
息を乱しながら、真琴はしきりに勇仁の名前を呼んだ。自分で慰める時よりも人に触られる方が感じてしまい、若干困惑してしまう。
派手に女性と遊んでいると、こんな事まで上手になるんだろうかと一瞬思ったが、直ぐにやってきた快感に思考が飛んだ。
「まこ、先走りですげぇ濡れてきてる。普段もこんな風になるのか?」
「ふっ……んんっ……ゆうっ、と……」
額を勇仁の胸に押し付けた状態のままでいる真琴に、耳元で話しかられたが答える余裕はなかった。
耳にかかる勇仁の息までも、今の真琴にとっては感じる原因となった。ギュッと勇仁の服を掴んだまま、時折鼻から声を漏らす事が、真琴にとって今は精一杯だった。
「もう、イきそ?」
「っ……もう、だめっ……イく……」
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