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 証拠が目の前にあるにもかかわらず、真琴は未だに信じられなくて思わず口にしてしまった。言った所でどうなる事でもないのだが、ショックが隠せないのだ。  過去に付き合った彼女とエッチまでした事はあるので、これが初めてという訳ではない。問題はそこではなく、酔った勢いで記憶のないままヤッてしまった方だった。  今まで、真琴の身に降りかかる様な大きなトラブルと遭遇したことがなかったので、今の状態には完全に戸惑っている。  ゴムは着けていただろうから、最悪の事態は免れるだろう。最中の記憶がないので、完全とは言い切れないのだが。  これは、酔って迷惑をかけた所の騒ぎでは無くなっている……。  勇仁と違って、女の子からモテるという事に縁遠い真琴には、ノリや遊びで事に及ぶという経験がなかった。  こんな時、勇仁ならどうするのだろうかと思ったが、混乱している頭では何も考えつかなかった。  オロオロしている今の真琴の姿を、相手の女の子に見られたら『情けない』と思われるんだろう。  つい自嘲的な事を思ってしまい、そう言えば昨夜の相手はどんな人だったのだろうと気になり始めた。  先に帰られてなければ、まだこの部屋に居る筈で、ともすれば真琴の隣で寝ているだろう。  少し身体を起こして見てみよう。  そんな思いが膨らんで、真琴は二日酔いで重い頭を抱えながら起き上がろうとした。 「っ……」  しかし、再びベッドの上に戻ってしまった。  起き上がろうとして体勢を変えた瞬間、想定していなかった所から痛みが走って、それに耐えきれなかったのだ。  しかも、痛んだ場所が場所だったので、真琴は軽いパニック状態に陥った。
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