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 酔い潰れて女の子と一夜を過ごしてしまったにしても、こんな所は痛まない筈だ。  痛んだ箇所に意識が向いた瞬間、主張するかの様にズキズキと痛みがやってきた。  まさか、尻が痛み出すだなんて予想外もいい所だ。痛みに涙を滲ませつつ、さっきまで考えていた事と別の可能性が、真琴の頭に過った。  出来れば……それは、自分の考え過ぎであって欲しいと願う。そんな思いとは裏腹に、冷や汗がダラダラと流れ落ちる。  もう……訳が分からな過ぎて、泣き出しそうだった。  こんなに痛むのならば、行為の最中に意識が戻ってもおかしくなかった。それなのに、真琴の記憶はからっぽ状態なのだから。  思い返せば普段は甘いカクテル系のお酒しか口にしない真琴が、勧められたとは言え別のお酒を飲んだ事が失敗だった。しかも初心者がいきなり上級から攻めるように、ワインに手を出してしまったのだから、尚更だ。  飲みやすい味だったし、注がれたのが少量だったから油断した。ワインは後から酔いが回るだなんて真琴の頭になくて、注がれるままにグラスに入ったワインを飲み干してしまった。  限界を超えて意識を飛ばす経験すらなかった真琴は、今回が初めての事となった。  良くない事態で迎えてしまった初めての経験は、真琴のメンタルをズタボロにしただけだった。 「っ……何で……」  何故、こんな事になってしまったのだろう……と、過ぎた事に対して後悔ばかりしてしまう。
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