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それはAVの映像を思い出したからではなく、あの後に勇仁に触られてイかされた事を思い出したからだ。
「ちょ、勇仁っ、離れろって……」
この体勢のままだとまた変な気が起こりそうで、真琴は勇仁の下で必死にもがいた。
「あの時……エロいAV女優じゃなくて、俺の手で反応したのにな」
「勇仁、ばかっ、何言って……」
今度はわざと耳元に口を近づけて、勇仁が喋ってきた。喋る度に掛かる息で、真琴の抵抗が一瞬緩んでしまう。
その隙を逃すまいとして、勇仁の手があの時と同じ様に真琴の下肢に伸びてきた。
「ゆっ、勇仁……何の真似だ。じょ、冗談はやめっ……」
「冗談なんかじゃねぇよ。あの時だって、俺にすがりついて、可愛い顔してイッたのにな。なぁ……あの彼女もまこのここに、触ったのか?」
服の上からやんわりと撫でられて、思わず声が出そうになった。
お酒が入ってたあの時とは違って、勇仁が正気でこんな事をするとは思えず、真琴は戸惑うばかりだ。
「っ……そんな事、する訳ないだろっ! 勇仁……いい加減、離せよ」
「そっか……まだ、そんな関係にはなってないんだな。なら……その前に、忘れられない様な強烈な快感を……」
もしかすると、怒りで我を忘れてるのかもしれない。こんなに勇仁が怒ると思わなかった真琴は、ただ驚くしかなかった。
少し疑問に感じたのは、勇仁が派手に女遊びをしていたにも関わらず、真琴に彼女が出来たと思って怒った事だ。
友人に彼女が出来て悔しいと感じたにしても、ここまで怒るのは不思議に思う。ただ、それも勇仁の勘違いに過ぎないのだが。
「うわっ、ちょ……」
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