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味わった事もない強烈な快感に翻弄される一方で、そこから逃げ出したくなる気持ちにもなった。自然と生理的な涙が溢れ、真琴の頬を伝って流れ落ちた。
「イ……く……」
「……いいぜ。このまま出せよ」
「ううっ……」
口を離した勇仁に言われたが、僅かに残った理性で真琴は首を横に振った。
このまま出したら、勇仁の口の中に入ってしまう。それだけは出来なくて必死になった。
「でも、こっちはどうかな……」
「っ……あっ、あっ……」
言葉にはしていないが、真琴が拒んだ事は勇仁にとって面白くなかったらしい。
再び真琴のを口に含んだ勇仁は、根元を手で握って刺激する。そして先程よりも早いスピードで口を上下させて、真琴が絶頂を迎える様に促してきた。
「やだっ、ゆう、とっ……あっ、もうっ……」
一旦中断した事で敏感になっていた身体は、勇仁が与えてきた刺激で呆気なく達してしまった。
「うっ……ごめっ……」
絶頂を迎えた瞬間は、解放感で頭が真っ白になって何も考えられなかった。
だが、暫くして落ち着いてくると、勇仁の口に吐き出してしまった事が頭に過り、涙声で謝った。
たとえ本人が望んで促してきた事だったとしても、やってしまった後で押し寄せてきた真琴の罪悪感は拭いきれないものだった。
「……いや、謝んな。悪いのは俺なんだ」
真琴が謝った後、固まった様に身動きすらしなかった勇仁が、重いため息をついてボソッと言った。
お互いにどう会話を続けていいのか困って、結局喋り続ける事が出来ないまま、再び沈黙がやってきてしまった。
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