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「珍しいこともあるのねー。それじゃ、今日はみんないるかな? っと」
先生が教室に目を配り、空いている席がないかを確認する。そして一つだけ空いている席に目を留めた。
「あれ、尾野君休み? 連絡きてないけどなー」
話しかけているのか独り言なのか分からない大きな呟きを先生は発した。
空いている席は廊下側一番前の席。駿が間違えて座ろうとした席。
あ、あそこ尾野君の席だったっけ。
そんなこと考えている間に、廊下を誰かが横切った。
もう遅刻なのに悠々と歩いているその人物こそ、尾野君だった。
「珍しいこと続きねー」
そんな感想を呟いている先生の横を横切る尾野君。
って、え? 横切るの?
廊下側に席あるんだからそのまま座ればいいじゃん。
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