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「すごいね、優月。宿題全部やってきたの?」
白紙ではないあたしの問題集を見て、愛衣が心底感心している。むしろ意外そうだ。
「まーねー」
鼻高々で自慢をするけど、実際は褒められたものじゃない。愛衣にはこっそり耳打ちで
「実は昨日、尾野君の宿題丸写ししたんだよね」
そう白状する。
「うわー……」
感心から一変。白い目で見つめられる。
「あんたほんと馬鹿だねー」
「えへへ……」
とりあえず笑ってみたが、愛衣には思いっきりため息を吐かれた。
「去年経験したから分るでしょ。うちの高校、宿題はあっても提出はしないよ」
「………………えっ!」
その言葉で一気に去年の記憶がフラッシュバックしてきた。
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