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「ご愁傷さま」
愛衣はもう人の不幸を楽しんでいるようだ。笑顔で言い放つ。
「あ、あのさ」
小さな声で駿に話しかけられる。これからテストが始まるっていうのに、駿から焦りは微塵も感じられなかった。
それよりも気にかかっていることが駿にはあるらしい。
「尾野……に、宿題返した方がいいんじゃない?」
「あ! そうだった!」
尾野君の宿題を預かっていると朝家を出るまでは覚えていたのに、電車に間に合うか間に合わないかのデットヒートのせいですっかり忘れていた!
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