32人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
あたしはすぐにカバンから宿題を取り出し、尾野君の元へと急いだ。
「真宮。あんたやっぱ今日変だね」
背後では、あたしも気になっていたことを愛衣が代わりに追及していた。最後まで聞こえなかったけど、駿は返事を濁しているようだった。
何かあったかもしれない。後で事情を聞くことにしよう。
「あ、あのー……尾野君」
遠慮がちな声であたしは尾野君に話しかけた。
何故こんなにも尾野君に対して緊張してしまうのだろう。
確かに、あたしが教室で尾野君に話しかけるのは初めてだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!