彼氏だけど彼氏じゃないっ！

なんか変っ！

　表には出さないけど、心の中では学校中に響き渡るくらいの大声で叫んでいる。よくぞ耐えたと自分で褒めてやりたい。

　尾野君はすぐさま五教科の問題集を机いっぱいに開き、テストで出るだろう問題とその答えを暗記し始める。

　私は尾野君の……尾野の衝撃的発言に10秒くらい体が硬直。彼の前から動けなくなってしまった。

　あ、あたしも答え暗記しなきゃ。そう思い出してあたしは尾野の席を離れようとする。あまりに悔しかったから、尾野めがけて眼光を飛ばし、それから自分の席に戻る。