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あたしは必至で問題集にかじりついている尾野の背後に向かって、恨みをこめてガンを飛ばした。あたしの視線につられてか、愛衣も尾野の様子を伺う。尾野の必死ぶりに愛衣は「うわあ……」と完全に引いていた。
「クラス1位なのに、なにあの努力」
「クラス1位ってなにが?」
普通に聞き返しただけなのに、愛衣は「嘘でしょ」と言わんばかりに目を大きく見開いた。
「知らないの? うちのクラスで一番成績いいの尾野なんだよ」
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