32人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
*******
「……嘘でしょ」
テストは次の日に五教科全て返ってきた。
もちろんあたしのテスト結果は散々なもので、正直赤点のものが殆ど。大嫌いな数学に関しては一桁と絶望的な数字だ。
だがそんなことはテストを受けている時点で勘付いていたことだ。今更驚く理由はない。
あたしが信じられないのは、隣にいる駿のテスト結果だった。
「嘘でしょ! ちょっと見せて!」
「あっ」
有無を言わさず駿の答案を引っ手繰ると、その点数をまじまじと凝視する。
どれだけ点数を見つめても、数字が変わることはない。
目の前にある点数は紛れもない真実。
最初のコメントを投稿しよう!