喪失記念日

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朝の....目覚め――。 目覚めには幾つかの目覚め方がある....。 爽やかな目覚め。 悪夢に、うなされての不快なる目覚め....。 強烈な眠気に、後ろ髪を引かれながら何とか、起きると言った微妙なる目覚め――。 等々、朝には様々な目覚めがある訳だが....。 これは、どの目覚めに属するんだろうか? 「ぐはっ――!? な....? 一体....何が――!??( ; ゜Д゜)」 俺は脳天に突き抜けるような鋭い衝撃を受けて、強制的に目覚めさせられる。 それに続いて、後方から聞こえてくる不快なる鼻息と――。 荒い声の響き....。 「もう直ぐにゅる(ノ´∀`*) もう直ぐに、イクにゅる♪(*´ω`*)」 何か、現実味の無い猫顔の何かが、俺の後方で激しい動きを見せる。 (何だ....これは....??((((;゜Д゜)))) 俺は、理解出来ない状況と激しい痛みに顔を、しかめながら自身の現状を把握しようと試みた。 だが、どう考えても思い当たる節がない。 だが、それは兎も角、俺は明らかな窮地に立たされていたのである。 いや....俺は知らない内に、既に大切なモノを失っていたのだ。 「御主人、イクにゅるよ♪ イクにゅる♪(*´ω`*)」 「な....!?( ; ゜Д゜) や、止めろぉぉぉ――!??((((;゜Д゜)))」 そんな中、俺は必死に思い出そうと足掻く....。 こうなった理由は一体、何なのだろうか――? 何か、変わった事があった筈だ。 何か――。 そして、不意に脳裏を過る、ある出来事....。 そう....それは昨日――・・・・・。 ―――――――― ―――――― ―――― ―― (ヤレヤレ、やっと仕事が終わった....。 しかし、今日は最悪の一日だったな?) 俺は家に向けて歩きながら、溜め息をついた。 別に仕事で失敗したとか、そういった話ではない。 いや、仕事は寧ろ順調だった。 俺は営業の仕事をしているが今日、売り込みした新型業務仕様のコピー機が、二十台も売れたのだから....。 ならば何が最悪だったかと言えば、同じ会社の仲間内で 、恋バナやら初体験やら、そんな話が浮上し、盛り上がった事である。 俺は童貞歴22年。 それ=年齢と言う、実に繊細な御年頃かつ過酷なる経験を持つ身なのだ。 だがしかし、勘違いする事なかれ! 俺が彼女が出来なかったのは、別にモテなかったからではない。
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