みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム
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春……。 放課後の教室……。 そこに居合わす、ふたり“きり”……。 カーテンのすき間から射し込む夕焼けは、教師の空けた教卓を明日の日直の書かれた黒板を、がらんどうとした教室そのものを照らし出し―― 「…………」 ひとりの女子を目の前に高鳴る鼓動を抑えてたたずむ俺を、みかん色に染め上げてくれていた。
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