序章

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「最悪だ…この世の終わりだ…」  校庭にある円形の花壇に、ぽっかりと口を開いた得体の知れない穴。  直径2.357メートル、深さは全く分からないな。何かで計ろうにも穴の奥から声にならない呻き声のような、妙な音が時々聞こえてくるから怖くて計れないのだ。  …え?何故直径がわかったのかって?…それは、先週数学でこの花壇の面積を使うために「マツオカ数学」で計測したからだ。あぁ…お前はあの授業受けてないんだっけ、後で俺のノート写メっとけよ。  はぁ…しかし何と言うか…こんな時でさえ、特に役に立たないんだな…数学って。俺は腰と額に手をあてると、真っ青な快晴の空をじとっと睨んだ。  隣の幼稚園から園児の下手くそな「ひなまつり」のお歌がBGM…なんだ、全く平和に見えるじゃないか。    しかし、この「穴」のせいで俺らの日常は全て無くなるのだ。日常どころか、俺ら自身も。この世界が全て無くほどの力を、あの穴は持っているらしい。 「最悪だ…この世の終わりだ…」 これは…俺らが「謎の穴」と戦う。 ただ、それだけの物語。 
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