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「私の勝ち!ですよね?じゃあ約束通り、お相手してくださいね課長さん」
巴世里が俺の手を掴んで、ダンスフロアへと連れ出す。
チークダンスだなんて、部長の話のネタにされるだけだろ。
宇佐美のやつは………夢の中、か?
………チッ。
「…課長さん、宇佐美さんのこと好きなんですか?」
コイツ……勝手に俺の肩に手をかけ、接近しようとしてきやがる。
「は?俺が宇佐美を?……有りえねェ」
そうか巴世里、お前がその気ならこっちだって……。
腰に手を回しグッと力強く抱き寄せる。
一瞬、脅えるように瞳を揺らしたが、直ぐに余裕を取り戻した巴世里。
俺に身を任せるようにしなだれかかり、首に抱きついてくる。
そして、背伸びをして耳元で囁いた。
「……それなら、アフター付き合ってもらってもいいですか?あゆみママから、もう上がっていいから課長さんをおもてなしするようにって言われているんです」
アフターか。
店の外に出られるんなら、そのほうがいいだろう。
「分かった。先に店の前で待ってる」
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