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「その仮面が、ある人によって剥がされるんだ。会社なのに、俺らしくない行動を取ったりして。」
ある人?
それは、やっぱり彼女の林さんの事だよね…。
「倉庫まで走って探しに行ったり、泣き止むまで頭を撫でたり。」
え?
「酔い潰れて寝てるとこを送って行ったり。」
それって…。
「あたし?」
思わず声が出ていた。
「うん。美桜ちゃんだって知らなかった、小林だよ。」
「え?だって、ヒロくんは林さんとつき合ってるんでしょ?」
あたしは聞きたくても聞けなかった事を、ようやく口にできた。
「林は、大学からの友達。彼女じゃないよ。」
「そうなの?あたし、てっきり…。」
「美桜ちゃんも勘違いしてたんだな。」
そう言うと、ヒロくんはクスッと笑った。
「みんなそう思ってるよ。広樹って呼ばれてるし。」
「あれは、大学の時は、みんなそう呼んでたからで、林が特別な訳じゃないんだ。」
林さんが彼女じゃない…。
彼女じゃないんだ。
あたしは、あまりにびっくりして、でもすごくホッとした。
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