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2人とも完食すると。
「少し歩こうか。」
と、ヒロくん。
あたしは頷き、席を立つ。
周りは暗くなり始めていて、ライトアップされた桜は、それはそれはキレイだった。
「何も聞かないんだね。」
あたしが桜に見入っていると、ヒロくんが突然核心をつくような言葉を発した。
「聞いてもいいの?」
「もちろん。今日はそのために来てもらったんだし。」
「うん、じゃあ、教えてくれる?」
「うん。あそこのベンチに座って話そうか。」
と、2人でまたベンチに座った。
「まずは、ごめんね、美桜ちゃん。」
突然謝られて、何の事かわからず首を傾げると。
「会社で会ってすぐに、美桜ちゃんだって気づかなくて、ごめんね。」
とヒロくんが言った。
「美桜ちゃんは、俺がヒロくんだって、すぐに気づいたんでしょ?」
あたしが頷くと。
「それで、美桜ちゃんは俺をヒロくんって呼んだんだよな。なのに俺、『お前、誰?』とかヒドい事言ったよな。」
あたしは何て言っていいのかわからず、とりあえず頷く。
「名字も違くて。外見も昔よりすごくキレイになってて。美桜って名前は知ってたのに、美桜ちゃんだってわかんなかったんだ。」
ヒロくんは、桜を見ながらそう言った。
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