第14章

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あたしは、1番疑問に思ってた事を聞いてみた。 「ヒロくんは、どうしてあたしだって気づいてくれたの?」 「美桜ちゃん、金曜日の記憶ってある?」 「ううん。歓迎会でたくさん飲んじゃって、トイレに行って、近くのベンチに座ったとこまでしか覚えてないの。気づいたら、朝おうちのベッドで寝てたの。」 「そっか。俺は、そのベンチに座ってる美桜ちゃんを見つけて、美桜ちゃんちまで連れて帰ったんだ。」 「えっ?ヒロくんが!?」 「前に閉じ込められた時に、タクシーで美桜ちゃんちまで帰ったじゃん?それで美桜ちゃんちは知ってたから。」 「そうなんだ…。ありがとう。」 「どういたしまして。ってか、美桜ちゃんち知ってて良かったよ。そうじゃなかったら野口が…。」 「野口くんがどうかしたの?」 「いや、ごめん、こっちの話。」 と、苦笑いを浮かべるヒロくん。 「で、美桜ちゃんを送って行って、美桜ちゃんちに入らせてもらったんだ。勝手に入っちゃって悪かったんだけど。」 「ううん。」 あたしは首を左右に振った。 きっと寝たままのあたしを運んでくれたんだろうから、むしろありがとうと言いたいところだもん。 .
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