第14章

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「そうだったんだな。これでわからなかったピースが繋がったよ。」 ヒロくんは1人で納得してる。 「それで、その後どうしたの?」 「あぁ、で、唯一知ってる美桜ちゃんの高校で待ち伏せしたんだけど。出て来た美桜ちゃんは彼氏と一緒で、声掛けられなかったんだ。」 「ん?たぶん、たまたまクラスメイトの子と一緒にいただけじゃないかなぁ?その頃は彼氏いなかったし。」 「え?そうなの!?」 「そうだよ。」 「何だ、そうだったんだな。俺が勝手に彼氏だって思い込んでただけだったのか…。」 と、ブツブツ言ってるヒロくん。 これが本題? でも、何であたしに会いに来てくれたんだろう? その時会えてたら、ヒロくんは何て言ってくれたの? 「今、俺の勘違いだって事はわかったんだけど。その時の俺はすっかりそう信じてて。」 「自分の気持ちに蓋をしたんだ。」 蓋? 「それからの俺は、恋愛が面倒くさくて、女の子に冷たい態度を取り続けた。会社に入ってもそう。俺、冷たかったでしょ?」 「うん。話し掛けるのが怖い時もあったよ。」 「そうやって、自分を演じてだんだ。」 そう言うと、ヒロくんはまた大きく息を吐いた。 .
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