私の中の戸惑い

20/24

237人が本棚に入れています
本棚に追加
/215ページ
意を決して来たのに雅臣の前に立った私は 何も言えずにたちすくむ 「うん?」 ため息とともに彼の胸に飛び込んだ 「え…………綾乃?」 しどろもどろになる雅臣の背中に手を回し ギュッと抱きしめた 「春美」 ドアの所で春美くんを呼ぶナオの声が かすかに聞こえていた 「うん」 すぐとなりで立ち上がった春美くん パタンとそっと閉まったドアの音が聞こえた おそらく数秒くらいしか立ってはいないのだろう 「綾乃」 静かな雅臣の声が頭の上から落ちてきた
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

237人が本棚に入れています
本棚に追加