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12月に入り
食事に行ったり仕事帰りに映画を見たり
何度かデートを重ねた
会うたびに
私はどんどん彼を好きになっていった
優しいだけじゃなく
彼の考え方や物腰・仕草にはまっていく
そしてのクリスマスイヴの夜
小田さんは有名シェフのクリスマスディナーを
予約してくれていた
「美味しい!」
色とりどりの鮮やかな前菜から始まり
美味しいワインを飲みながら
メインの料理はため息がつくほどだった
コース最後のデザートのケーキと
コーヒーが運ばれてくる頃には
私の心は至福の時間に酔いしれていた
席を離れた小田さんが戻って来たとき
彼の手にはルームキー
「いい?」
コトっとテーブルに置かれたそれを見ながら
私はコクンとうなづいた
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