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部屋に向かうまでの間
エレベーターの中でも通路を歩く間も
どちらも無言だった
繋がれた手が熱い
カチャリとドアが開けられる音とともに
部屋の窓から差し込む灯りに目を見張った
「ワア!」
手を離すと窓際に駆け寄る
眼下に広がる街には
通りの木々に輝くLEDの光と車のライト
色とりどりのイルミネーションは
まるで宝石箱のようにキラキラと煌めく
窓ガラスに額をくっつけるように眺めていた
「佐原さん」
その声に振り向くと
小田さんがにこやかに微笑んでいた
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