第3章 始まりの雨

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神々しく晴れる時期、 雨音村では毎年行われる 祭りが準備されていた。 【無雨灰泥雨祭ームサメハイドロアメサイー】 文字が掘られた木の看板が 今年の選ばれた無雨人と 普段から無雨神と呼ばれる 男が共に境内に運ばれ、 太く荒々しい縄で1本の 大きな柱に縛られた。 「ねぇ、無雨人さん…生きてるか」 境内に人の気配が無くなると 無雨神の男が真後ろに縛られた 無雨人の少年に問いかけた 「生きて、ます……」 「そうか…良かった」 少年は神々しい太陽と同じ髪色をしていたが今では真っ暗な空間に溶け込んでいる 男はそんな少年に 祭りの期間である 1週間の内、2日間 何かしら問い続けた。
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