第3章 始まりの雨

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だが3日目の早朝、 慌ただしい足音が境内に 響き渡ったかと思えば 無雨人と無雨神が祀られた 部屋に何人もの 村人達が飛び込んできた 「何事だ…」 「大変なんです!」 「助けてくださいっ!」 「うちのこが、」 「寝たきりの母が!!」 無雨神の何とか、 発せられた声が一斉に 村人の不安を騒ぎ立てたが それも村長である老人が 無雨人の縄に手をかけると 一瞬で静まり返った。 「無雨人よ…時が来たのじゃ。」 そう言いながら、 荒々しい縄で手を傷つけながら ナイフで縄を切り始めた 「そん、ちょう…なに、が…起きたの…ですか…」 「無雨人よ、村を出て…新しい、  無雨神を…連れて来てくれ。」 老人が言い終わったと 同時に縄が切れて 力の出ない無雨人と 無雨神が床に倒れ そのまま意識を失った。 そして無雨人として 異例の境内から出る事態になった
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