第1章 知らない未来

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帰宅部になったのも 叔父さんが帰ってきてるか、 確認する為。 中学校の二年までは 叔父さんが家まで来ていた。 何も告げず、 誰も何も言わずに あのお墓だけ建てられた。 家に帰ると未捺は 真っ先に部屋にこもる 勉強机の上に置かれた写真には 未捺と叔父である男。 ーコンコン… 「未捺、おかえり…  学校から電話来たわよ?」 「お母さんただいま、  今行くから待ってて…」 さっさと制服から 部屋着に着替えて、 リビングに行く。 テーブルに置かれた電話は 保留音が流れている、 未捺は慣れた手つきで それを切った。 「もしもし?」 「あぁ、どうも」 電話の相手はいつも通りの 若い声を発する 中年のおばちゃん担任。 「学級委員の原崎さんに  お願いあるんだよね…  明日、朝イチに職員室来てくれる?」 「分かりました。」 「あと、惚れないでね?」 「え?なにがープツッ」 ーツーツーツー。 切られた電話を見つめながら 首をかしげる未捺。
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