第1章 知らない未来

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何が「惚れないでね?」なのか それが分かったのは 朝イチの職員室でだった。 「おはよー、原崎さん!」 若作りに励むおばちゃん独特の 化粧の匂いが充満した職員室に ひときわ目立つ1人の男子生徒。 目が合った。 男子生徒は めんどくさそうに 会釈する。 「今日からクラスメイトになる  源湯スバルくんよ…  昨日の用は学校の  案内を頼まれてほしーのよ」 ペタペタとクリームを塗る担任に 未捺がそっと口を開く 「あの~、彼ってバリバリに  校則違反してますけど?  ……良いんですか?」 ペタペタ…ペタ、 手が止まったと思った瞬間 鋭く目線を合わせた担任に ビクっと肩を震わせ、 なにも聞いてないフリをして 職員室を去った。
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