第17章  前触れ

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もちろんこの彼の仕事を、立花も手放しで賛美した。 「さすがだ。これなら、文句つけるヤツは、俺が纏めてなぎ倒してやる」 そして、それから来週のモデル店舗でのデザイン確認が約束され、 この日の打ち合わせは終了。 間もなく帰り支度を始める忍に、立花が声を掛けた。 「急ぐのか?」 しかし、「いや」とかぶりを振った忍に、 立花が、あと10分足らずで定時になると告げる。 「ああ、分かってる。もちろん、下の駐車場で待ってるよ」 普通に交わされる、会話。 だがその後で、ニッコリと忍に微笑みかけられれば もう那々は、どうして良いか分からなくなる。
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