3人が本棚に入れています
本棚に追加
しかしこんな時、彼らは決して彼女を追い込まない。
だから、エレベーター前まで忍を送り、
メールとメモの確認を済ませるまでは、いつも通りだった。
だが、柱時計のオルゴール音が定時を報せ、
それで簡単にデスクを片づけて背後を振り返ると、
そこにはニヤニヤする立花の顔がある。
そしてそんな顔を向けられると、いつも通りにさり気なく帰りを告げられず、
「あの、私、これで……」
いささか、ぎこちなくなる。
だが立花は、そういう彼女を楽しむかに更にニヤニヤを広げる。
「うん、お疲れさま。
ま、俺が言うまでもないだろうけど、楽しい週末を」
しかし、こういう状況は、まだどうにも慣れていない。
最初のコメントを投稿しよう!