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・・・翌朝。
朝食を済ませて、幼稚園の支度をしている昂を待っていると・・・
ふと昨夜、佐伯が帰り際に言っていた言葉を思い出した。
『オマエも、少しは七瀬さんに気を遣え。』
まぁ、顔を合わせれば気を遣う事も出来るが、しばらくの間はスケジュールが詰まっていて彼女に会う事も出来ないだろう。
だからと言って、すでにココで仕事をこなしてくれている彼女に、依頼者として挨拶の一つもないのはどうか?と思う。
・・・ふーむ。 何かいい方法はないか?
頭の中でいろいろと考えを巡らせながらリビングへ入ると、電話の横に置いてあるメモ帳が目に入った。
(・・・そうだ! 手紙を残しておこう。)
オレはメモ帳の紙をペリっと一枚剥すと、失礼のないよう丁寧に手紙を書き始めた。
『大変だとは思いますが、これからよろしくお願いいたします。何か足りない物がありましたら、その都度、佐伯にお伝えください。出来る限り、対応させていただきます。それでは、くれぐれもご無理のないように・・・ 城崎 』
とりあえず、面倒な事は佐伯に任せておけばいい・・・
「コレで、よし!と。」
ふと時計を見ると、もう家を出なければいけない時間になっていた。
(マズい・・・幼稚園に遅れてしまう。)
オレは、ダイニングテーブルに置いてある灰皿の下にメモを挟むと、昂を迎えに急いで彼の部屋へ向かった。
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