第2章

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***** 「だいだい、こんなところか・・・」 ようやく、図面の修正が終わった。 おそらく、これなら先方も納得してくれるだろう。 オレは、修正した箇所をもう一度確認すると、内線で匂坂さんを呼んだ。 「修正が終わったから、先方にデータを送っておいてくれないか?」 「かしこまりました。」 ソファに移動し、大きく伸びをする。 オレの肩こりは、「職業病」の域をとうに超えていて・・・たった半日パソコンに向かっただけで、もうカッチカチだ。 時々、昂が一生懸命揉んでくれようとするけど、まったく歯が立たないらしく・・・終いには「父、ハンマー持ってない?」などと言い出す始末。 どこかに、良い整体がないものだろうか・・・? そんな事を考えながら肩を摩(さす)っていると、無造作にドアが開いた。 と同時に、アタッシュケースを手にした佐伯が顔を出す。 どうやら、外回りから帰って来たところらしい。 「圭人、昼飯食ったか?」 「いや、まだだけど・・・」 「まだ、って・・・15時に川崎なんだろ? 早くしないと間に合わなくなるぞ。」 そう言われて壁を見上げると・・・時計の針は、すでに13時を回っていた。 「・・・ヤバッ、もうこんな時間だ。」 オレは急いで上着を手にすると、佐伯とともに昼食を摂るため、慌ただしく事務所を後にした。
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