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「まったく・・・呑気でいいな、オマエは。どうせ、七瀬さんの事なんか何にも考えてないんだろ?」
「・・・そんな事ないよ。」
「そんな事あるだろ。今までだって、ずっとオレ任せだったくせに・・・」
まぁ、たしかに・・・
先方との連絡やら何やらで、今までコイツには散々世話になって来たけど・・・
でも、今回は違う。
今日はオレだって、少々の気遣いを見せて来たんだ。
「オレ、オマエが言う通りにして来たよ。」
「・・・何が?」
「今朝、七瀬さん宛に手紙を残して来た。よろしくお願いします、ってな。」
「・・・ホントか?」
「ああ。」
(まぁ、オマエに負担が掛かるような内容ではあるけれど・・・)
多少の後ろめたさを抱えるオレは、それを佐伯に悟られないよう至って自然に蕎麦を啜る。
すると、ヤツは嬉しそうに顔を綻ばせながら、ひと言・・・
「成長したな、圭人。これはご褒美だ・・・とっとけ。」
そう言って、オレの皿に「かぼちゃの天ぷら」を1枚乗せた。
・・・は? いい歳して「ご褒美」って・・・
単に、オマエがかぼちゃ嫌いなだけだろ?
「・・・・」
オレは、満足そうに笑みを浮かべる佐伯を白い目で見つめながら思った。
やっぱり、手紙の詳細は明かさないままでいよう・・・と。
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