第2章

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***** 「それでは、一度持ち帰って検討させていただきますね。来週中には、お返事出来るようにいたしますので・・・」 「ええ、よろしくお願いします。」 18時からの打ち合わせは、思いのほかスムーズに話が進んで・・・ お客が帰った後、ふと時計を見ると、まだ19時を過ぎたばかりだった。 「・・・はぁ・・・疲れた。」 早く終わったとはいえ、こうもスケジュールが詰まっていると、やはり疲れる。 それに、帰ったら夕飯も作らないといけないし・・・ とりあえず、面倒だから簡単なもので済ませてしまおうか? オレは、頭の中で「お茶漬け」を思い浮かべながら大きく伸びをすると、気を取り直して帰り支度を始めた。 (彼女は、オレの手紙を読んでくれただろうか?) 未だ見ぬ彼女に思いを馳せながら、自宅に向かって車を走らせる。 まぁ、アレを手紙と呼べるかどうか分からないけど・・・ ただの、メモ程度だとは思うけど・・・ それでも、誰かに手紙を書くなんて、オレにとっては初めての事だった。 とはいえ、いきなりあんな手紙を残した事で、彼女が気を悪くしていなければいいけれど・・・
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