第2章

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幹線道路を抜けたところで渋滞は緩和され、車の流れがスムーズになった。 ココからなら、あと10分もあれば自宅に着く。 オレは、信号待ちで停車すると、おもむろに携帯を手にした。 「ああ、佐伯か? あと10分でそっちに着くから。」 『そうか。打ち合わせ、わりと早く終わったんだな。』 「ああ、けっこう話が早くまとまってね。で、彼女は何て?やっぱり、やめたいって言ってるのか?」 てっきり派遣会社から電話が掛かって来るとばかり思っていたのに、今日は何の連絡もなかった。 という事は、彼女がウチの家政婦を続けてくれる、と思っていいのだろうか? それとも、やっぱり・・・ 『そんなの帰ってくれば分かる事だよ。』 オレの不安が伝わったのか、佐伯は電話口でクスクスと笑っている。 『オマエ、早いとこ仕事片づけて彼女に会ってやれよ。』 「仕方ないだろ、今、やたらと忙しいんだから・・・だいたい、オマエがだな・・・」 言ってる間に、信号が青に変わった。 「とにかく、今から帰るから。話の続きは、また明日だ。」 『ああ、気をつけて帰って来いよ。ご褒美が待ってるから。』 そう言って、佐伯は電話を切った。 ・・・また、ご褒美? かぼちゃなら、もういらないけど。 明かりが灯る街路樹の中を、自宅へ向かって真っすぐ走る。 そして、マンションの最上階に灯る明かりを見つめながら・・・ オレは、いつものようにフッと頬を緩めた。
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