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(・・・な、なんで・・・オマエが、ココに・・・?)
数日前に浴びせられた罵声が、また頭の中で響き渡る。
『・・・いったぁー! ちょっとッ! どこ見て歩いてんのよッ!』
その言葉とともに、再び痛み出す右の足先・・・
オレは、目の前で何が起こっているのか分からなくなっていた。
『聡明でとてもしっかりした女性』とは、いったい誰の事だったのだろう?
彼女からの返信を読むのが楽しみで、心を躍らせながら家路に着いたこの数日間の自分は、いったい・・・?
もしかして・・・派遣会社が言っていた『最終兵器』というのは、全てを破壊する爆弾女という意味だったのだろうか?
(落ち着け・・・落ち着け、オレ。)
そこには、崩壊して行く頭の中を必死の思いで理性に繋げようとする自分がいた。
どうやら、それはオレだけではなかったようで・・・
こちらを見つめる瞳が、次第に大きく開いて行く。
「・・・あーーーッ! あの時のーーッ!」
大声で叫んだ彼女は、驚愕の表情を浮かべると、尻餅をついたままの態勢で固まってしまった。
っていうか・・・パンツ見えてるし。
その瞬間、ようやく我に返ったオレは、極力動揺を見せないよう平静を装いながら言った。
「なんだ・・・オマエだったのか・・・」
目の前では、色をなくした彼女の表情とは真逆のピンク色のパンツが・・・その驚愕の大きさを物語るようにチラついていた。
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