第2章

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・・・さて、と・・・これからどうしてくれようか? 項垂れる彼女を前に、オレの中に埋もれていた加虐心がゆっくりと頭をもたげ始める。 初対面のオレに、いきなり罵声を浴びせかけた事・・・ 何のガードもしていない無防備なオレの右足を、力いっぱい踏みつけて立ち去った事・・・ そして何より、オレにある種の幻想を抱かせた詐欺まがいの返信の数々に対して・・・ 彼女には、その罪の一切合切を余す事なく償ってもらおう。 オレは昂の耳元に口を寄せると、したり顔で話しかけた。 「昂、今日はどんな事があったんだ?」 「ん? べつに。オレは、いつも通りだったよ。アオイは、忙しそうだったけどね。バカラのグラスを割っちゃったり、サボテンの水を撒き散らしたり・・・」 ふーん・・・バカラを、ねえ・・・ おまけに、サボテンの水まで撒き散らしちゃったんだ・・・それは、残念だなぁ。
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