第2章

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彼女の顔が、みるみるうちに蒼白になって行く。 オレはそんな彼女を一瞥しながら、昂に向けて言葉を放った。 「で、ちゃんと謝ってもらったのか?」 「ううん。 やっぱり女っていうのは、どうしようもない生き物だよね。 謝る事すら満足に出来ないんだから。」 フフフッ・・・さすが、我が息子! 満点の受け答えだ。 ごにょごにょと何やら謝罪めいた言葉を呟く彼女を尻目に、オレの加虐心はますますエスカレートして行く。 「そうか・・・謝ってくれなかったのか。 それは、残念だな。」 「ですからね、今、まさに、その謝罪の言葉を・・・」 「どうする?昂・・・このままにしておくか? それとも・・・」 こういう時のオレは、自分でも驚くほど天才的な追い込み方を発揮する事が出来るのだ。 恐怖に怯える彼女を見つめながら、ニヤリと口角を上げる。 そして、おもむろに上着を脱ぎ捨てると、堅苦しいだけのネクタイとYシャツのボタンを外しながら彼女の二の腕を掴んだ。 「ほら・・・こっち来いよ。」 もう彼女の表情のどこにも、あの日の勢いなど見受けられない。 オレは、強引に彼女をソファの前まで連れて来ると、自分の肩を指差しながらクイッと顎を上げた。 「オレ、肩が凝って死にそうなんだけど・・・」 「・・・分かりました。」 彼女は、諦めたようにぐったりと頭を垂れると、重い足どりでソファの後ろ側に移動して行った。
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