第2章

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「・・・うぉいッ!!!」 その声とともに、勢いよく動いていた彼女の指先がピタッと止まり、辺りに静寂が訪れた。 ・・・なんだ? 今のは? そう思って振り返ろうとした瞬間・・・ ・・・バンッ! 「終わりましたッ!」 彼女は、オレの肩を乱暴に叩いて一方的に肩揉みを終了すると、リビングの片隅に置いてある荷物を手にした。 いやいや、ここまでやっておいて途中で放棄はないだろう。 オレは、そそくさと立ち去ろうとする彼女に向かって声を掛けた。 「おい、ちょっと待て。」 「いいえ、待てません!」 「もう遅いから、オレが・・・」 「それでは、これで失礼しますッ!(ペコリ)」 どうやら、オレの言葉など聞く耳も持たないらしく、彼女はペコリと頭を下げて挨拶をすると、勢いよくリビングから飛び出して行ってしまった。 「なんだ、アレ?・・・嵐みたいな女だな。」 ポツリと呟くオレに、昂がバツの悪そうな笑顔を浮かべながら答えた。 「まぁ・・・悪いヤツじゃないんだけどね。」 フフッ・・・悪いヤツじゃない・・・か。 オレは、彼女が消えて行った玄関の方向を見つめると、半ば呆れたように小さく笑った。
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