第2章

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***** 昂を連れてやって来たのは、幹線道路沿いにあるグリーンセンター。 何時までやっているのか定かではなかったが、オレが帰宅する時間はいつも煌々と明かりが点いていたので、とりあえず向かってみた。 看板の案内によると、どうやら夜の9:30まで営業しているようだ。 果たして、花屋がそんな時間まで営業して儲かるのだろうか? 少々訝しく思いながら、店内に入る。 すると、レジの前では、大きな花束を抱えた年配の男性が満面の笑みで店員と話し込んでいた。 「ありがとう。これだけ豪勢な花束なら、きっとレミちゃんも喜んでくれると思うよ。」 ふーむ・・・おそらく、飲み屋のおネエちゃんなんだろうな。 若干、脂ぎった顔をした男性からは、そんな臭いがプンプンして来る。 その光景を見て、この店がどうしてこんな時間まで営業しているのか分かったような気がした。 まぁ、オレには縁のない話だけど・・・ 「なぁ、昂。皿って、どこにあると思う?」 「やっぱ、園芸用品のコーナーとかじゃない?」 こういう店に入るのが初めてなオレには、何がどこにあるのか全く見当がつかない。 「ふーん、園芸用品・・・か。」 当初の目的を果たすべく、どこかに園芸用品コーナーの案内がないか?と店内をグルグルと見回していると、店の奥に「この先、多肉植物館」と書かれた看板が掛かっているのが目に入った。
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